カウンター 戦略財務 財務コンサルタントの日常

融資で金融機関がみるポイント

こんにちは!
財務コンサルタントの高田です。

09年の平均完全失業率は5.1%と6年ぶりに5%を超え、
さらに有効求人倍率においては、0.47倍で
63年の調査開始以来過去最低とのニュースがありました。
リーマンショック以降、政権交代などがありましたが、
依然、景気は厳しい状態がつづいております。
不況下で、資金繰りが悪化している会社が増え、
融資の相談件数が増えています。
そこで今回は、金融機関が融資審査でどこを見ているのかをご紹介します。

◆希望借入金額(いくら必要か)
なぜその金額が必要なのかを金融機関はみます。
運転資金の場合は、資金繰り表、設備投資の場合は、
見積書の提示などで、必要な金額を明確にし、金融機関に説明できるようにしましょう。


◆資金使途(どのように使うか)
とりあえず貸して欲しいでは、金融機関は納得しません。
どのように使うのか資金使途をちゃんと説明できないと、
社長の個人的支出に使われるのではと判断されることになります。
希望借入金額同様、運転資金なら資金繰り表、設備資金なら
設備の見積書など提示して、何にいくら使うかの説明ができるようにしておきましょう。


◆返済財源(どうやって返すか)
分割返済なら事業計画書などにより将来の利益予測を見せましょう。
一括返済なら、事業計画書の他に、
将来の入金予定を売買契約書等の書面を見せると効果的です。


◆担保・保証人はどうするのか
担保は銀行から聞かれるまで答える必要はありません。
ただ保証人をつけることにより、融資が受けられる可能性が高まります。
また、ほとんどの場合、代表者は保証人になるよう要請されます。
第三者保証を付ける場合もあります。


◆最近の企業業績はどうか
赤字・債務超過など、業績の悪い企業は返済能力が落ちるため、
銀行は企業から決算書や試算表の提出を要求し返済能力を審査します。
そこで最近の業績を、企業が金融機関へ説明できれば、
金融機関の担当者も稟議書が書きやすくなり、融資審査の時間は短縮できます。 
そのために、月次決算を適時に行っておく必要があります。


以上、金融機関が融資審査で見るポイントを紹介させていただきました。
実際に金融機関の担当者と面談をする際は、上記の内容は必ず確認されます。
その結果、企業の業績に不安はないものの、融資金額が過大、返済期間が長期間、
条件面に無理がある場合は、金融機関から融資条件の変更を、企業に求められることもあります。

融資に関するお困りがございましたら、是非ご相談ください。

借入で資金繰り表や事業計画書を提出するメリット

こんにちは!
財務コンサルタントの高田です。

中小企業では、資金繰表事業計画書を作ってない企業は少なくありません。
実は、金融機関からの融資が受けられない理由の1つがここにあります。
そこで今回は、資金繰り表や事業計画書を作成するポイントや、
作成することによるメリットについて、ご紹介させていただきます。


事業計画書には、将来ビジョン、マーケティング戦略、
数年間の貸借対照表・損益計算書の予測、
どのように売上改善・利益改善、資金繰りなど多岐の項目にわたって記載します。

これらの項目を何度も精査することで、
事業が成功する見込みを客観的に判断できるようになります。
経営者の頭の中でぼんやりしている内容を、事業計画書に具体的に落とし込むことにより、
将来目標、課題、リスクなどがを目に見える形で把握できるようになるのです。
事業計画書を作成することにより、経営者は闇雲に努力するのでは無く、
その計画に沿って努力することができます。


また、資金繰り表とは、過去短期間の「お金」の動きを集計し、
かつ短期的な「お金」の動きの予定を加え、資金繰りの計画を示すものです。
企業にとって「お金」とは、人間にとっての「血液」と同じです。
その血液が上手く流れるようにすることが企業継続の絶対条件となりますので、
「お金」の動きを把握することが必要となります。
その「お金」の動きを表したものが資金繰り表というものです。

資金繰り表は、通常、半年から1年程度分を月次で作成することが多いです。
そして、資金不足がいつ、どのように発生するかを把握し、
対処方法を検討
できるようにすると、健全な資金繰りができるようになります。
資金繰表を作成することで、企業の資金管理体制も整い、
資金の調達と運用を把握することができ、経営の体質改善に役立ちます。

さらに資金繰表を作成していれば、資金繰表を金融機関に提出することで、
金融機関は融資使途を把握することができ、融資実行の理由ができます。
また金融機関は、資金繰表を普段から作って活用している企業は、
資金管理体制がしっかりしていると考えますが、逆に、資金繰表がない企業は、
資金管理体制がなっていないと考えられ、融資が受けにくくなることもあります。

しかし、資金繰り表をいざ作ろうと思っても、途中であきらめてしまったり、
また資金繰り表を毎月作っていても途中でやめてしまったりする企業が多いのが実情です。
その理由の根本は「完璧に作ろう!」や「すみからすみまで読み込んでやろう!」
というように気負ってしまことがあるように思います。

完璧な経営計画を立てるのは至難の業です。
売上の予測を完璧にしなければということではなく、
あくまでも見込み数値という認識で作成しましょう。

そもそも、資金繰り表は経営管理資料です。
「隅々まで細かく見る。」というよりは、
大まかに見ることができれば経営管理資料として十分に活用できます。
経営計画は時が経つにつれ変わっていくのが当然です。
その場合は、その都度資金繰り表を修正し反映させていけばよいのです。

融資を受ける場合、事業計画書や資金繰り表を提出しなければならないケースがほとんどです。
事業計画書や資金繰り表の提出が必須でない場合であっても、
これらの資料を添付して事業の魅力をアピールしたほうが、
融資は受けやすいものとなります。
特に書面の審査中心の公的な制度融資においては、
事業計画書や資金繰り表の添付効果は抜群と言えます。

まずは、1年間の事業計画書を作成してみましょう。

企業の診断(6要素診断)

こんにちは!
財務コンサルタントの波多野です。



突然ですが、みなさんは決算書を活用されていますでしょうか。

決算書は、税務署や金融機関へ提出するためだけでなく、
できあがった決算書の数値を分析することにより、
企業の強み、弱みを理解することができます。
また、将来へ向けた企業の経営課題を把え、
次の1年の経営目標を立てることができます。

決算書から上記のような分析を行うことを「決算診断」といいますが、
今回は決算診断の代表的なもの「6要素診断」
についてお話しさせていただきます。

「6要素診断」における「6要素」とは、一般的には下記の6項目を指し、
どの要素も、企業の状況を診断するうえで、とても重要な指標となります。

 ・収益性
 ・生産性
 ・資金性
 ・安定性
 ・健全性
 ・成長性

それぞれ概要をご説明させていただきます。


【収益性】〜儲かっているか〜

企業が存続、成長していくために必要な利益が獲得できているかどうか、
利益獲得の達成度を分析する指標が「収益性」です。

この指標では、提供する商品やサービスの競争力、
営業活動、財務活動を含めた企業の総合的な利益獲得能力を分析することができます。


【生産性】〜効率的に儲けているか〜

経営資源(主にヒト・モノ)の投入に対して、
どれだけの成果があったか、その効率の良さを分析する指標が「生産性」です。 
たとえ「収益性」が高くても、
必ずしもその企業の経営が効率的に行われているとは限りません。

従業員1人あたりの付加価値、利益などを見ることにより、
「収益性」では分からない、企業の経営効率を分析することができます。


【資金性】〜資金が眠っていないか〜

投下した資本が無駄なく使われ、その回収速度はどうか、
簡単にいうと、資金が順調に流れているかどうかを分析する指標が「資金性」です。

お金の流れをスムーズにすることは、
人間の血液の流れと同じく企業経営にとっても非常に重要なことです。

この指標をさらに細かく分析することにより、
売上債権、在庫、設備投資などのどの部分に、
その原因があるかを分析することができます。


【安定性】〜借入能力があるか〜

企業規模と比べて借入金が過大になっていないかどうかなど、
主に借入金のバランスを分析する指標が「安定性」です。

銀行などが企業の格付けを行う際、とても重要視する項目でもあります。

借入はうまく活用することができれば、非常に有効な手段となりますが、
綿密な計画にもとに、その企業の借入能力の範囲内で行うことが重要です。
この指標による分析で、自社の借入能力を適正に把握することができます。


【健全性】〜支払能力があるか〜

企業の債権、債務はバランス良く保たれているかどうか、
企業の財務上の支払能力を分析する指標が「健全性」です。

企業経営を継続していくためには「収益性」の向上だけでは足りません。
個々の債務の支払時点における支払能力を有することが欠かせません。

運転資金などの短期的なものから、設備投資などの長期的なものまで、
様々な視点から支払能力を分析することができます。


【成長性】〜伸びているか〜

売上高、利益、総資本などの企業の業績、規模が順調に伸びているかどうか、
決算書から得られる数値を時系列に比較することで、
その企業の将来性を分析する指標が「成長性」です。

「成長なくして企業の繁栄なし」と言われるように、
競争の厳しい現代においては、企業経営は常に前進し続けなければ、
それはすなわち衰退を意味します。
成長こそ最大の企業目標ともいえるでしょう。

このように「6要素診断」をはじめとした「決算診断」は、
私たちが毎年受ける健康診断と同じです。
是非、企業経営に活かしていきたいですね。

戦略財務では、作成した決算書をもとに毎年、上記「6要素診断」を含めた
「決算診断サービス」を実施しております。
ご相談は当社スタッフまで。そのままではわかりにくい決算書を、
わかりやすい「診断書」に置換えてご説明させていただきます。

融資審査で見る3つのポイント

こんにちは!
財務コンサルタントの大浦です。

政権交代に伴う今年度第1次補正予算の見直しや、
米経済の先行き不安などで二番底への懸念が増大しています。

長引く不況下で、資金繰りが悪化している企業が多く、
融資に関するご相談が多くなっています。
そこで今回は、融資審査で金融機関が見る3つのポイントについて、
お話をさせていただきます。

ポイントは、下記の3つです。

 1.資金使途
 2.返済財源
 3.保全

この3つのポイントを、申込の段階で金融機関に説明できないと、
申込時点で融資はまず100%と無理と言っても過言ではありません。
逆に、この3つのポイントを理解し伝達できれば、
銀行は融資の可否を判断する際にシナリオを描け、
入り口の融資申込みおよび取扱いの判断スピードは確実に速くなります。


1.資金使途

資金使途とは、融資を受けた後のお金の使いみちです。
「とりあえず貸して欲しい」では、金融機関は融資しません。
つまり、仕入の支払い、給料・賞与の支払い等の運転資金としてや、
車両の購入や機械等の設備投資資金として使うというように、
明確な目的がないと融資してくれないのです。

したがって、運転資金としての融資を申込むなら資金繰り表
設備資金なら設備の見積書などを提示して、何にどう使うか説明する必要があります。


2.返済財源

返済財源とは、どのようにして借入金を返済するかです。
融資後、企業が返済できるかどうかを財務面から検証します。
検証に必要なものとして、前期の決算書、直近の試算表を金融機関から求められます。
過去の資料から企業が金融機関へ返済できるかどうかを判断します。

そこで企業は、返済財源があることをアピールするために、
過去の資料だけでなく、分割返済なら事業計画書により将来の利益の予測を見せ、
一括返済なら将来の入金予定を売買契約書等の書面で
説明すると融資を受けやすくなります。


3.保全

保全とは、担保・保証人はどのようにするかです。
金融機関は、融資の制度や申込金額によって担保を求めてきます。
担保には、不動産、有価証券や預貯金などの物的担保と、
保証人、信用保証協会の人的担保があります。
保証人を判断する場合は、その保証人の収入や
資産状況(預貯金、金融資産や不動産の有無や価値など)で判断されます。

つまり金融機関は、担保や保証人があれば貸倒れリスクが軽減されるので、
融資に積極的になります。逆になければ融資を断る可能性が出てきます。


以上が、融資審査での大まかなポイントとなります。
将来、融資のお申込みをお考えのかたは、
金融機関の融資審査での特徴を考慮し今から事前対策を講じておけば、
融資をお申込みした後の審査スピードは確実に速くなります。

融資のイロハ 〜借入の種類〜

こんにちは!
財務コンサルタントの神田です。



長引く不況で、想定外の売上減少や予定していた入金の遅れなどで、
資金需要が多くなり、融資のご相談を多くお受けしています。

借入を行うと一言で言っても、様々な機関からいろいろな商品が出ています。
借り易さ、利率、借入期間など千差万別です。
どの機関から、どのように借りるかが非常に重要となってきます。
そこで今回は、借入の種類についてご紹介致します。

借入の種類を下記の4つに分けました。
それぞれについて、以下でご説明させていただきます。

 ・信用保証協会
 ・日本政策金融公庫
 ・プロパー融資
 ・ビジネスローン


【信用保証協会】

信用保証協会は、直接融資を行いません。
民間の金融機関からの融資に対し、公的な保証人となることにより、
中小企業と金融機関を結ぶ役割を担っています。
融資を受ける企業は、信用保証協会に保証料を払います。

基本的に信用保証協会は、通常の銀行融資において業暦が浅い、
決算の内容が芳しくない、保証人の資産背景が弱いなどの理由から
プロパー融資(信用貸付)が受けられない場合に利用されます。

また経済危機対策によるセーフティネット融資など、
経済状況により利用する制度を使い分ける必要があります。


【日本政策金融公庫】

日本政策金融公庫とは、政府系の金融機関であった「国民生活金融公庫」
「農林漁業金融公庫」「中小企業金融公庫」「国際協力銀行(国際金融等業務)」及び
「沖縄振興開発金融公庫」の5つの機関が、
平成20年10月に統合し、新たに株式会社日本政策金融公庫として発足した会社です。

中小企業は、日本経済や地域社会において重要な役割を果たしていますが、
担保力が低いこと、資金需要が小口であるといった理由から、
民間金融機関では対応をしてくれないことがあります。

とりわけ、新規開業する企業への融資は、
事業実績がないこと、リスクが大きいなどの理由で、
民間金融機関はほとんど融資に応じてくれません。

日本政策金融公庫は、株式会社となったとは言えども元々公的な金融機関です。
こうした民間金融機関ができない分野を補完するのが、
政府系金融機関の存在意義となっています。


【プロパー融資】

プロパー融資とは、借り手と銀行とが
個別に交渉し融資条件を自由に設定する融資のことをいい、
いわばオーダーメイドの融資のことを言います。

信用保証協会からの保証を受けず、銀行独自の融資として借り入れる融資ですので、
銀行からの相当な信用力がないと難しいです。
したがって、金融機関との付き合いの長さ(返済実績)や、
好業績などの実績が必要になってきます。


【ビジネスローン】

銀行などの金融機関が、中小企業に対し無担保、無保証人で
融資を行うスコアリング融資と呼ばれているスピード審査型の商品です。

審査は、決算書を2期分または3期分のデータを、
コンピュータに打ち込み、その数字を元にその会社に融資が可能か、
また融資額や金利などを機械が判断します。

今までのように、銀行からの人の判断(定性的判断)という部分がほとんどなくなり、
機械化してしまっているため、決算書をいかにうまく作れるかが重要になります。
つまり、スコアリングでよい結果が出やすいように、
ポイントをおさえた決算書作りが重要になります。


以上が、中小企業にとって、なじみの深い融資制度となります。

他にもいろいろな商品や機関が融資の相談を行っていますが、
開業して間もない場合など、銀行との取引実績が浅い段階では、
日本政策金融公庫や信用保証協会付きの融資などを活用し、
銀行との取引実績を積み重ね、会社規模・実績がしっかりしてくれば、
プロパー融資に胸を張って申し込んでいくのがセオリーです。

 

固定資産の稼動状況を把握する指標

こんにちは!
財務コンサルタントの高田です。


会社は調達した資本を運用して会社の経営を行います。
資本は資金の形をとることが多いですので、
資金をいかに効率よく運用し利益を上げるかが重要となります。
したがって資金の運用のされ方を分析すると、会社の実態がよく分かります。
資金は、現金預金というより「資産」となっていますので、
「資産」の内容の分析、使われ方の分析ということになります。

そこで今回は、固定資産にの稼動状況に着目しお話させていただきます。自社の固定資産が、効率よく運用されているのかを見るのに、
下記の2つの指標が有効となります。

1、固定資産回転率
 固定資産の中に遊休や稼動の悪い物はないかを検討する指標です。

2、減価償却率
 設備の更新、耐用年数の妥当性を検討する指標です。


【固定資産回転率】
固定資産回転率は、下記の算式で求めれます。

 売上高 / 固定資産合計額 = 固定資産回転率(回)

回転率が高ければ、資金の流れがよいということがいえます。
業界平均値より低ければ、まずは回転率を上げる必要があります。
そのためには、売上高を上げるか固定資産を減らす必要があります。
回転率が悪いと、遊休のもの、ムダなものを持っている可能性があります。
ムダで不必要なものがあれば、その分会社に資金を寝かせておくことになり、
またそれを管理するために無駄なコストが発生していることになります。
売却や処分を検討する必要がでてきます。

<中小企業の固定資産回転率平均値>

 建 設 業 :  8.5 回 
 製 造 業 :  3.6 回
 情報通信業 : 27.8 回
 運 輸 業 :  3.9 回 
 卸 売 業 : 11.7 回
 小 売 業 :  8.0 回
 不 動 産業 :  0.3 回 
 飲食宿泊業 :  3.6 回
 サービス業 :  5.3 回


【減価償却率】
 減価償却率は、下記の算式で求めます。

  固定資産減価償却累計額 / (固定資減価償却累計額 + 償却対象資産) ×100 = 減価償却率(%)

 ※ 設立当初など設備投資が多い会社の場合は、この数値は小さくなります。

固定資産のうちで、償却対象資産は、毎年減価償却することに特色があります。
減価償却を通じて、固定資産の価値は製造される製品やサービスに移転します。
この率が大きいと、製品コストは少ないといえ、
設備は、老朽化、効率低下、また今後かかる修繕費が高くなる可能性があります。
逆に率が小さいと、製品コストは高く、
設備は、新鋭、高効率、今後発生する修繕費も低いといえます。

減価償却率は、業界の平均値や、同業他社の平均などを参考に、
自社で適正な率を設定しましょう。
ちなみに日本の企業平均で59.02%で、
製造業は64.24%、非製造業で、54.00%になります。

以上のように、減価償却率で自社の設備の状況を把握し、
固定資産回転率を高める必要が有ります。
今一度、自社の月次決算書を見直し、参考にしてください!

設備投資について2つのポイント

こんにちは!
財務コンサルタントの高田です。

リーマンショック以降の急激な景気後退で、売上高が減少する企業が多く、
過去の設備投資とその借入返済が重荷となり、
破綻に追い込まれる企業も増えています。
これらには、身の丈を越えた投資規模であったこと、
ほぼ全額を借入金で調達していたことが原因となっています。

設備投資は、金額が多額になることが多く、
かつ資金が長期間固定化するため、慎重に行う必要があります。
だからといって、設備投資を全くしないということはできません。
設備投資を行わないと、
設備の性能が向上せず競争力が低下することにもなり、
適切な設備投資は必要になります。

そこで今回は、設備投資について2つのポイントを、ご紹介させていただきます。

 1.投資資金の回収期間を試算する
 2.自社の財務構造および資金調達のバランスを検討する


【投資資金の回収期間を試算する】

単に今売れているから投資をするというのでは、
今回の不況などで、売れ行きが停滞した時に、
投資資金を回収できなくなる可能性が出てきます。
何のために投資をするのかという目的を明確にし、
新たな設備で提供する製品・サービスの将来性はどうなのか、
投資後に獲得をする市場シェアはどの程度なのかなどを検討します。
そして検討した投資が、投資金額が何年で回収されるかを調べ、
その期間がガイドラインとなっている期間よりも短ければ投資を実行し、
長ければ投資を再検討する必要があります。
回収期間を求めるためには、下記の算式が有効です。

 回収期間 = 投資額 / 年間キャッシュフロー(利益+減価償却費)


例えば、下記のように2つの投資案があるとします。

        投資案A    投資案B
 
 投 資 額   1500    3000
 耐用年数         5       5
 利 益 額     100     300


この場合上記の算式に当てはめると、
 投資案A
  1,500 /(100+300) = 3.75年

 投資案B
  3,000 /(300+600) = 3.33年

以上のように、投資案Bのほうが早く投資額を回収できるということになります。


【自社の財務構造および資金調達のバランスを検討する】

次に、自社の財務バランスを大きく崩すことがないかを検討する必要があります。
大規模な投資の場合、投資資金のほとんどを借入金でまかなうと、
自己資本比率 ※ が大幅に低下します。

 ※(自己資本比率 = 資本の部 / 総資産)

自己資本比率は、一般的に30%以上が及第点と言われています。  
自己資本比率の低下は、企業の安全性を低下させることになるため、
身の丈を大きく超える設備投資は特に慎重に行う必要があります。

投資資金のほとんどを、借入金とする場合、年間返済が多額になります。
自己資金が不足するようなら、投資を断念することも必要です。

設備投資は、企業の命運にも関わる事項です。
ポイントを外さずに慎重に検討する必要があります。
自社の月次決算を参考にし、
自社の設備投資をいま一度検討してみてはいかがでしょうか。

 

倒産しない会社づくり

こんにちは!
財務コンサルタントの高田です。

日銀が先日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、
企業の景況感を示す業況判断指数は大企業製造業でマイナス48と、
過去最悪だった3月の前回調査から10ポイント上向きました。
改善は06年12月以来、2年半ぶりに改善されたようです。

景況感は最悪期を脱したものの、
実際の業績改善につながる見通しはたっておらず、
09年度の大企業製造業の売上高は前年度比14%減、
経常利益は同39.5%減と、
いずれも3月の前回調査時点での計画から大幅に下方修正しており、
まだ景気の回復には時間がかかりそうです。

そこで今回は、この不況下において倒産しない会社をつくるために、
指標となる「自己資本比率」についてご紹介させていただきます。


自己資本比率は下記の計算式で求められます。

 自己資本比率 = 純資産 / 総資産

※純資産とは、資本金や利益剰余金など返済義務のない資産
 総資産とは、純資産に借入金など会社の全ての資産


つまり企業の資金調達した合計である「総資産」の内に、
返済義務のない自己資本が占める割合を表しています。
この比率が高いほど、
資本構成が安定しており経営の安全度が高いことを示します。

借入金などの負債は、他人資本とも言い、返済しなければいけないお金です。
それに対し、純資産は、自社の資本ですから、返済しなくてもいいお金です。
資金調達の内、この返済しなくてもいいお金が多ければ多いほど、
負債への依存度が下がり資金繰りは楽になり、経営も安定します。

中小企業庁のデータによると、中小企業の自己資本比率平均値は28.7%です。
一般的には自己資本比率は30%が及第点と言われます。
好景気の時は、30%でも支障なく経営ができます。
しかし、今回のような長引く不況下においては、
赤字が続くと手元現預金が不足し、資金がショートしてしまいます。
実際に07年12月期に自己資本比率が25%だった会社が、
わずか1年後の09年2月に経営破綻したケースもあります。

一方でこの不況下において、無借金経営を5年続けている会社があります。
この会社の自己資本比率は、70%です。
一度倒産していてるこの会社は、倒産時の自己資本比率は△24%でした。
この会社の経営者は、
「自己資本比率が40%を超えると、少し資金繰りが楽になったような気がし、
60%を超えると急に資金繰りが楽になり何の心配もすることがなくなった。」
と言われております。
このように自己資本比率は、高くなればなるほど資金繰りは間違いなく楽になるのです。

では自己資本比率を効率よく高めるためにはどうすればよいでしょう。
自己資本比率を高めるためには、自己資本を増やすか総資産を減らすしかありません。
総資産を減らすには、過剰設備や在庫がないかを見直す必要があります。

自己資本を増やすには、
利益を増やし「利益剰余金を会社の中に蓄える」か、
「増資」をし資本金を増やすかの2点しかありません。

利益剰余金を蓄えるには、税引後利益を増やすしかありません。
したがって「税金をたくさん払うのがもったいないから、経費を増やす。」
という考えは、自己資本比率を高めるという点ではマイナスとなります。
なぜなら、無駄な経費を増やし利益を圧縮するのでは、
せっかくの自己資本比率を高めるための原資を失うことになるからです。
自己資本を増やすためには、しっかりと利益を出し、
そこから税金を納めた後の税引後利益を会社の中に蓄えることが必要なのです。

自己資本を増やすもうひとつの方法の増資をするには、
非上場である中小企業の場合、市場から資金を調達し資本金を増やすことはできません。
中小企業の場合、増資を引き受けられる人間は、
経営者しかいないので経営者が自ら増資をすることがほとんどだと思います。
つまりいざという時に頼れる自己資本は、経営者のお金なのです。
会社と経営者の財政状況は、一体と考える必要があります。
したがって経営者には十分な報酬を支払い、
会社の危機を見越して会社を守るために蓄える必要があるのです。

このように自己資本比率は、安定した会社経営を行うひとつの指標となります。
今一度自社の自己資本比率を見直し、
どんな不況下にも負けない強い会社づくりを目指しましょう!

強い会社づくりのための2つの指標

こんにちは!
財務コンサルタントの高田です。


先日、総務省が発表した7月の完全失業率が、
5.7%と過去最悪となりました。
リーマンショック以降の景気後退を受け、
大企業を中心に実行された非正規雇用社員の雇い止めや、
派遣切りの影響が大きくなっています。
いまだ景気の先行きが見えない状況が続きそうです。
そこで今回は、不況に負けない強い会社づくりのための2つの指標を、
事例を用いてご紹介させていただきます。


この不況下で、無借金経営をつづけ経常利益率23.5%の、
バイク用ヘルメットメーカー「SHOEI」という会社があります。
このSHOEIの前身である昭栄化工は、
92年に120億円の負債を抱え会社更生法の適用を申請しました。
その後、現SHOEI会長の山田氏が管財人となり、
04年には無借金経営を達成しました。

一度倒産した会社を、無借金企業に変えた山田会長は、
ひとつの原則を守って経営をされてきました。

それは「企業活動の全般にわたり、お金が回っているイメージを持ち、
お金がお金を生むサイクルをできるだけスムーズで、シンプルにする。」
ということでした。

そのために山田会長は、管財人となって手形の支払をやめました。
支払手形の決済は、各手形の決済期日によって、
思わぬタイミングで支払が集中し、資金繰りが詰る可能性があるためです。
また受取手形についても、長いサイトのものがあると運転資金が増え、
資金繰りを圧迫するので、顧客からの支払も手形から現金にしてもらいました。
手形取引をやめることにより、お金を回すサイクルをシンプルにしたのです。

そして、ムダな在庫や設備についても処分しました。
お金が在庫や仕掛品の状態で放置されると、いつまで経ってもお金にならず、
資金が足りなくなり借金を重ねる要因となるからです。

このようにキャッシュフローを良くすことにより、
倒産時74億円あった総資産を、5年で52億円と、
7割もスリム化することができました。
そして、キャッシュフローを良くしたことにより生まれた余剰の現金で、
借金を返済し無借金経営を達成しました。

会社のお金のサイクルをスムーズかつシンプルにするためには、
SHOEIの山田会長が行ったように、
総資産をスリムにし経営の効率を改善する必要があります。
スリムで効率的な経営を目指すにあたり、下記の指標を目安にしてください。


1、総資産回転率
 資産をどれだけ有効に使い、売上を得ているかを示します。
 高ければ高いほど、総資産が効率的に活用されていると判断できます。

  総資産回転率 = 売上高 / 総資産

 総資産回転率を改善するためには、総資産を減らすことです。
 企業が肥満化する要因は様々ありますが、
 最大の要因はムダな資産を放っておくことにあります。
 ちなみにSHOEIの総資産回転率は、約1.3回です。

 ≪中小企業の平均値≫
  建 設 業 : 1.8回
  製 造 業 : 1.2回
  情報通信業 : 1.9回
  運 輸 業 : 1.5回
  卸 売 業 : 1.8回
  小 売 業 : 1.9回
  不 動 産業 : 0.2回
  飲食宿泊業 : 1.7回
  サービス業 : 1.5回


2、総資産経常利益率
 資産をどれだけ効率的に使い、利益を生み出しているかを示し、
 高いほうが効率が良いと判断できます。

  総資産経常利益率 = 経常利益 / 総資産

 通常会社が成長すると設備などが自然に増え、総資産が増えます。
 経営者は売上高が伸びていると油断しがちですが、
 総資産経常利益率を意識しないと経営効率が低下します。
 総資産経常利益率が悪化すれば、過剰設備や在庫がないかを見直し、
 総資産の引き締めが必要です。
 ちなみにSHOEIの総資産経常利益率は、約31%です。
 
 ≪中小企業の平均値≫
  建 設 業 : 1.6% 
  製 造 業 : 2.1%
  情報通信業 : 3.4%
  運 輸 業 : 1.8% 
  卸 売 業 : 1.6%
  小 売 業 : 0.6%
  不 動 産業 : 1.6% 
  飲食宿泊業 : 0.5%
  サービス業 : 2.3%


SHOEIのように、無借金経営を継続し不況に負けない強い会社をつくるためには、
お金を生むサイクルをシンプルにし、お金をスムーズに回すことが重要となります。
そのためにも、上記の2つの指標を今一度見直し、自社の経営効率を改善しましょう。

もう資金繰りにあたまを悩ませない

こんにちは。
財務コンサルタントの金園です。



長引く不況のなか、資金繰りに困難を来している中小企業の方々も少なくなく、
21年4月〜6月における日本政策金融公庫のセーフティネット貸付融資額が、
前年比で4.5倍となったようです。
しかも昨年の上場会社の倒産は45社で、
しかも驚くべきことに、そのうち21件が直近の決算では黒字の企業です。

「勘定合って銭足らず」という事態を避けるためにも、
常に資金状況を把握し当面の資金繰りに気を配る必要があります。
そこで今回は、キャッシュフローの中でも、
フリーキャッシュフローについてお話しさせていただきます。

フリーキャッシュフローは、下記の算式のとおり、
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足した値となります。

 フリーキャッシュフロー = 営業キャッシュフロー + 投資キャッシュフロー

営業キャッシュフローとは、
企業の本業である仕入、販売、管理活動に伴う
キャッシュの出入りを示したものです。
営業活動によるキャッシュフローは、当然プラスであることが求められます。

投資キャッシュフローとは、設備投資、有価証券投資などに伴う
キャッシュの出入りを示したものです。
通常、投資活動によるキャッシュフローは、マイナスになります。
事業の成長を図るためには、
設備投資などの先行投資による資金の支出が必要不可欠となることが多いからです。

フリーキャッシュフローから企業は、借入金を返済したり金利を支払ったり、
あるいは株主に配当を支払ったりします。
フリーキャッシュフローがマイナスになると、
会社には資金が残っておらず場合によっては、
資産の売却や金融機関からの借入などで資金調達の必要がでてきます。
ですのでフリーキャッシュフローは多ければ多いほど経営状態が良好だといえます。

たとえ業績の良好な会社でも、多大な投資を行い、
投資キャッシュフローのマイナス値が大きくなり、
それに伴ってフリーキャッシュフローの値も
マイナスとなる場合があるので注意が必要です。

フリーキャッシュフローを増やすためには、
営業キャッシュフローを大きくするか、
もしくは投資キャッシュフローのマイナス分を小さくする必要があります。

売上増加とともに、コスト削減に取組むことで営業キャッシュフローが増え、
フリーキャッシュフローは増加します。
その他、売上債権を早期に回収し在庫を減らすことによっても、
フリーキャッシュフローは増加します。

事業を継続するためには、少なからず設備投資を行う必要がありあます。
設備投資を行うと投資キャッシュフローはマイナスになります。
効果的な設備投資ができれば、売上増加や経費削減につながり、
営業キャッシュフローが増加し、結果としてフリーキャッシュフローも増加します。

資金繰りを改善するためにも、
今一度フリーキャッシュフローを見直しましょう。

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