カウンター 戦略財務 財務コンサルタントの日常

家賃の値下げ交渉のポイント

こんにちは!
財務コンサルタントの大津です。

  

長引く不況下にあり、街中でも空き店舗が目立ちます。
オフィスビルの空室率は、上昇傾向で大阪の2月の空室率は10%程です。
そこで今回は、こんな状況下だからこそ是非検討していただきたい、
固定費削減(家賃の値下げ)について書かせていただきます。

テナントの家賃は、固定費の中でも大きな支出のひとつです。
それに、毎月必ず一定額が掛かりますので、光熱費などのように
使用量を抑えることで支出額を減らすこともできません。

しかし、逆に言えば賃料の値下げ交渉がうまくいけば、
何もしなくても、確実に毎月の支出を抑えることができます。
月に5万円の減額であれば年間60万円、10万円であれば120万円になります。
大きいですよね。

建物は、時の経過とともに資産価値が下がっていきますので、
物件の価値も同じく下がっていきます。
その為、実は、同じ物件でも古くから入っている借主が新しく入る借主より
高い賃料を払っているということが発生しているのです。
つまり家賃の値下げは、十分する余地があります。

では、テナント家賃の値下げについて、ポイントを挙げていきます。


【交渉の準備】
貸主にもわかりやすい、減額請求の裏づけとなる資料を用意します。
近隣の家賃相場を調べることで、適正な賃料を把握でき、
減額の余地やその根拠を説明する資料をつくることができます。

家賃相場は、インターネットで検索したり、
実際に不動産業者を周ったりすることで調べることができます。 
さらに、現在借りているビルの募集賃料を、不動産屋などで調べることができれば、
家主側も理屈がとおらなくなり、その後の交渉を有利に進めることができす。

また、貸主がすでに過去の賃料で投資回収できている場合も
交渉の材料になりますので、分かる範囲で調べると交渉しやすいでしょう。


【実際の交渉】
理論武装をした準備書類で、貸主が理解しやすいような説明を心掛けることで
交渉は有利に進めることができます。
特に大切なことは、減額の理由、改定賃料を明確に伝えることです。
また、他に良い物件が有れば移転する可能性があることも、
伝えてしまってよいと思います。


交渉の時期は、1日でも早く交渉をした方が、コスト削減の効果は大きいです。

倒産や移転で空室が増えている社会環境ですので、
過去に家賃の滞納などの問題がなければ、交渉が成立するケースも多いと思います。

貸主も、長期間入ってもらえる優良な借主が欲しいのが本音です。
賃料が折り合わず移転される空室のリスクを考えると、
テナント家賃の減額は貸主にとっても納得しやすい落とし所といえます。

経費削減でお悩みの経営者の方は、是非、一度検討してみてください。

会社の業績を良くするための営業地域の決め方

こんにちは!
財務コンサルタントの近森です。

 

先日、私が講師となり、当社でセミナーをおこないました。
テーマは『社員さん20名までの小さな会社の経営計画』です。

そこで今回は、セミナーのアンケートでみなさんの反響が大きかった、
「会社の業績を良くするための営業地域の決め方」について、
お話をさせていただきます。

みなさまの会社では、自社の商品やサービスを販売する地域を、
どのように決めていますか。

中堅中小企業は、ヒト・モノ・カネなどの経営資源が、
何百倍、何千倍もの格差のある大企業と競争しなくてはいけません。
その競争に打ち勝ち、業績を良くしている中堅中小企業には、
営業地域の決定方法に大きな特徴があることが多く見受けられます。
逆に苦戦している中堅中小企業にも特徴があります。


まず、1つ目が『最大範囲の決定』です。

一般的に、自社の商品やサービスを販売する地域が広いと、
1ヶ所あたりに投入される営業マンの人数などの経営資源が分散されます。
そうなると、経営規模の小さな中堅中小企業は、
経営資源の豊富な大きな会社に勝利することが難しくなります。

営業範囲が適正であれば、経営資源を集中できるばかりか、
営業する対象へのフォローも充実し、売上高が増加する可能性が高くなります。
会社の営業マンの人数が同じであっても、営業地域の決め方の善し悪しで、
純利益の総額が3倍も4倍も違ってくることがあります。

また、飲食店の広告を例にとっても、チラシやDMを配付する場合、
広い範囲に配付すると集客が大きくなると考えがちです。
しかし、競合他社が多い地域や、店舗から遠方の地域に配布しても来店率は低いので、
その地域へ配付するのは、経費のムダになってしまいます。


2つ目が『重点地域の決定』です。

競合他社が多い地域を主な商圏とすると、
値引き競争が激しく、競合他社との消耗戦となってしまいます。
業績を良くするためには、自社の経営規模と有力な競争相手との力関係を考えた上で、
どこの地域を主な商圏とするか「重点地域」をはっきり決める必要があります。

商品やサービスを販売する営業地域を正しく決定し、
重点地域での自社の占有率を向上させると、その地域での知名度が向上します。
知名度が上がれば、顧客の紹介が多くなるなどのメリットもあり、
経営資源に大きな差がある大企業にも勝ちやすくなります。

以上のように、自らが勝てる土俵をうまく設定できれば、
営業効率・経営効率は高まり、利益が出やすくなります。
今一度、自社の営業地域を見直してみてはいかがでしょうか。

 

サービス残業が会社をつぶす!?

こんにちは!
戦略財務の大井です。

  
マクドナルドの「名ばかり管理職問題」は、記憶に新しいと思います。
企業の抱える労使間の問題は、大小企業関係なく、
今後も社会問題となる可能性が大きいものとなっています。
数ある労使間の問題の中でも、特に注目されているのが、
「サービス残業による未払賃金の請求」です。

サービス残業とは、1日8時間、1週40時間の法定労働時間を
超えて働いた場合や法律で定められた休日に働いた場合に、
その時間に応じた割増を含んだ賃金が支払われないことを言います。

これまでは、そう言った問題が生じても、
労働者側が会社に対して訴え出るようなことは、ほとんどありませんでした。

しかし「名ばかり管理職問題」をはじめ、
こういった労働問題が社会問題としてクローズアップされ、
労働者の意識が変わり始めています。

さらに一番怖いのが、近年増えてきた、
過払金請求等の電車広告を出している法律事務所が、
サービス残業請求を新しい市場として狙っているという事実です。


現在、多くの法律事務所が過払金請求を広告として出ておりますが、
グレーゾーン金利の廃止や総量規制の影響から、今後少なくなります。

そして、その次の市場として狙われているのが、
このサービス残業等の企業への「残業代請求」です。

既に地下鉄の車内広告やラジオCMを行う法律事務所も現れており、
今年あるいは来年中には、
今ある過払金請求の電車広告が
すべて「残業代請求」に変わるとも言われています。

そうなると、辞めてしまった元従業員から
「残業代を払え!」なんて言う請求がくる会社が
後を絶たないなんて言うことが起こるかもしれません。


では実際、残業代の請求はどのくらいの金額になるか、
以下の、平均的なサラリーマンのケースでシュミレーションしてみましょう。

 ■月給30万円
 ■所定労働時間9時〜18時(休憩時間1時間)
 ■毎日20時まで残業
 ■残業はすべてサービス残業として支払っていない。
 ■2年分の残業代、付加金を請求された場合


<1hあたりの賃金>
300,000円 ÷ 22(日)÷8(時間)=1,705円

<残業代>
1,705円 ×2(時間)×1.25(割増分)×240(日)×2(年)
2,046,000円

<付加金を加味した請求額>
2,046,000円 × 2(付加金)= 4,092,000円     


なんと、約410万円もの請求を受ける可能性があります!

突然、上記のような金額が、
元従業員に対する残業代の支払いのため必要となり、資金繰りが悪化し、
会社をたたまなくてはいけなくなってしまうという可能性もあります。

そうならないために、会社として必要なことは、事前に対策をすることです。

残業代対策を念頭に置いた就業規則を会社として備えておくこと。
労務管理を、適正にしておくことが非常に重要となります。

うちの社員は大丈夫!と思われていても、将来、何が起こるかは分かりません。

早め早めの対策を打ち、将来のリスクに備えましょう!

融資で金融機関がみるポイント

こんにちは!
財務コンサルタントの高田です。

09年の平均完全失業率は5.1%と6年ぶりに5%を超え、
さらに有効求人倍率においては、0.47倍で
63年の調査開始以来過去最低とのニュースがありました。
リーマンショック以降、政権交代などがありましたが、
依然、景気は厳しい状態がつづいております。
不況下で、資金繰りが悪化している会社が増え、
融資の相談件数が増えています。
そこで今回は、金融機関が融資審査でどこを見ているのかをご紹介します。

◆希望借入金額(いくら必要か)
なぜその金額が必要なのかを金融機関はみます。
運転資金の場合は、資金繰り表、設備投資の場合は、
見積書の提示などで、必要な金額を明確にし、金融機関に説明できるようにしましょう。


◆資金使途(どのように使うか)
とりあえず貸して欲しいでは、金融機関は納得しません。
どのように使うのか資金使途をちゃんと説明できないと、
社長の個人的支出に使われるのではと判断されることになります。
希望借入金額同様、運転資金なら資金繰り表、設備資金なら
設備の見積書など提示して、何にいくら使うかの説明ができるようにしておきましょう。


◆返済財源(どうやって返すか)
分割返済なら事業計画書などにより将来の利益予測を見せましょう。
一括返済なら、事業計画書の他に、
将来の入金予定を売買契約書等の書面を見せると効果的です。


◆担保・保証人はどうするのか
担保は銀行から聞かれるまで答える必要はありません。
ただ保証人をつけることにより、融資が受けられる可能性が高まります。
また、ほとんどの場合、代表者は保証人になるよう要請されます。
第三者保証を付ける場合もあります。


◆最近の企業業績はどうか
赤字・債務超過など、業績の悪い企業は返済能力が落ちるため、
銀行は企業から決算書や試算表の提出を要求し返済能力を審査します。
そこで最近の業績を、企業が金融機関へ説明できれば、
金融機関の担当者も稟議書が書きやすくなり、融資審査の時間は短縮できます。 
そのために、月次決算を適時に行っておく必要があります。


以上、金融機関が融資審査で見るポイントを紹介させていただきました。
実際に金融機関の担当者と面談をする際は、上記の内容は必ず確認されます。
その結果、企業の業績に不安はないものの、融資金額が過大、返済期間が長期間、
条件面に無理がある場合は、金融機関から融資条件の変更を、企業に求められることもあります。

融資に関するお困りがございましたら、是非ご相談ください。

借入で資金繰り表や事業計画書を提出するメリット

こんにちは!
財務コンサルタントの高田です。

中小企業では、資金繰表事業計画書を作ってない企業は少なくありません。
実は、金融機関からの融資が受けられない理由の1つがここにあります。
そこで今回は、資金繰り表や事業計画書を作成するポイントや、
作成することによるメリットについて、ご紹介させていただきます。


事業計画書には、将来ビジョン、マーケティング戦略、
数年間の貸借対照表・損益計算書の予測、
どのように売上改善・利益改善、資金繰りなど多岐の項目にわたって記載します。

これらの項目を何度も精査することで、
事業が成功する見込みを客観的に判断できるようになります。
経営者の頭の中でぼんやりしている内容を、事業計画書に具体的に落とし込むことにより、
将来目標、課題、リスクなどがを目に見える形で把握できるようになるのです。
事業計画書を作成することにより、経営者は闇雲に努力するのでは無く、
その計画に沿って努力することができます。


また、資金繰り表とは、過去短期間の「お金」の動きを集計し、
かつ短期的な「お金」の動きの予定を加え、資金繰りの計画を示すものです。
企業にとって「お金」とは、人間にとっての「血液」と同じです。
その血液が上手く流れるようにすることが企業継続の絶対条件となりますので、
「お金」の動きを把握することが必要となります。
その「お金」の動きを表したものが資金繰り表というものです。

資金繰り表は、通常、半年から1年程度分を月次で作成することが多いです。
そして、資金不足がいつ、どのように発生するかを把握し、
対処方法を検討
できるようにすると、健全な資金繰りができるようになります。
資金繰表を作成することで、企業の資金管理体制も整い、
資金の調達と運用を把握することができ、経営の体質改善に役立ちます。

さらに資金繰表を作成していれば、資金繰表を金融機関に提出することで、
金融機関は融資使途を把握することができ、融資実行の理由ができます。
また金融機関は、資金繰表を普段から作って活用している企業は、
資金管理体制がしっかりしていると考えますが、逆に、資金繰表がない企業は、
資金管理体制がなっていないと考えられ、融資が受けにくくなることもあります。

しかし、資金繰り表をいざ作ろうと思っても、途中であきらめてしまったり、
また資金繰り表を毎月作っていても途中でやめてしまったりする企業が多いのが実情です。
その理由の根本は「完璧に作ろう!」や「すみからすみまで読み込んでやろう!」
というように気負ってしまことがあるように思います。

完璧な経営計画を立てるのは至難の業です。
売上の予測を完璧にしなければということではなく、
あくまでも見込み数値という認識で作成しましょう。

そもそも、資金繰り表は経営管理資料です。
「隅々まで細かく見る。」というよりは、
大まかに見ることができれば経営管理資料として十分に活用できます。
経営計画は時が経つにつれ変わっていくのが当然です。
その場合は、その都度資金繰り表を修正し反映させていけばよいのです。

融資を受ける場合、事業計画書や資金繰り表を提出しなければならないケースがほとんどです。
事業計画書や資金繰り表の提出が必須でない場合であっても、
これらの資料を添付して事業の魅力をアピールしたほうが、
融資は受けやすいものとなります。
特に書面の審査中心の公的な制度融資においては、
事業計画書や資金繰り表の添付効果は抜群と言えます。

まずは、1年間の事業計画書を作成してみましょう。

企業の診断(6要素診断)

こんにちは!
財務コンサルタントの波多野です。



突然ですが、みなさんは決算書を活用されていますでしょうか。

決算書は、税務署や金融機関へ提出するためだけでなく、
できあがった決算書の数値を分析することにより、
企業の強み、弱みを理解することができます。
また、将来へ向けた企業の経営課題を把え、
次の1年の経営目標を立てることができます。

決算書から上記のような分析を行うことを「決算診断」といいますが、
今回は決算診断の代表的なもの「6要素診断」
についてお話しさせていただきます。

「6要素診断」における「6要素」とは、一般的には下記の6項目を指し、
どの要素も、企業の状況を診断するうえで、とても重要な指標となります。

 ・収益性
 ・生産性
 ・資金性
 ・安定性
 ・健全性
 ・成長性

それぞれ概要をご説明させていただきます。


【収益性】〜儲かっているか〜

企業が存続、成長していくために必要な利益が獲得できているかどうか、
利益獲得の達成度を分析する指標が「収益性」です。

この指標では、提供する商品やサービスの競争力、
営業活動、財務活動を含めた企業の総合的な利益獲得能力を分析することができます。


【生産性】〜効率的に儲けているか〜

経営資源(主にヒト・モノ)の投入に対して、
どれだけの成果があったか、その効率の良さを分析する指標が「生産性」です。 
たとえ「収益性」が高くても、
必ずしもその企業の経営が効率的に行われているとは限りません。

従業員1人あたりの付加価値、利益などを見ることにより、
「収益性」では分からない、企業の経営効率を分析することができます。


【資金性】〜資金が眠っていないか〜

投下した資本が無駄なく使われ、その回収速度はどうか、
簡単にいうと、資金が順調に流れているかどうかを分析する指標が「資金性」です。

お金の流れをスムーズにすることは、
人間の血液の流れと同じく企業経営にとっても非常に重要なことです。

この指標をさらに細かく分析することにより、
売上債権、在庫、設備投資などのどの部分に、
その原因があるかを分析することができます。


【安定性】〜借入能力があるか〜

企業規模と比べて借入金が過大になっていないかどうかなど、
主に借入金のバランスを分析する指標が「安定性」です。

銀行などが企業の格付けを行う際、とても重要視する項目でもあります。

借入はうまく活用することができれば、非常に有効な手段となりますが、
綿密な計画にもとに、その企業の借入能力の範囲内で行うことが重要です。
この指標による分析で、自社の借入能力を適正に把握することができます。


【健全性】〜支払能力があるか〜

企業の債権、債務はバランス良く保たれているかどうか、
企業の財務上の支払能力を分析する指標が「健全性」です。

企業経営を継続していくためには「収益性」の向上だけでは足りません。
個々の債務の支払時点における支払能力を有することが欠かせません。

運転資金などの短期的なものから、設備投資などの長期的なものまで、
様々な視点から支払能力を分析することができます。


【成長性】〜伸びているか〜

売上高、利益、総資本などの企業の業績、規模が順調に伸びているかどうか、
決算書から得られる数値を時系列に比較することで、
その企業の将来性を分析する指標が「成長性」です。

「成長なくして企業の繁栄なし」と言われるように、
競争の厳しい現代においては、企業経営は常に前進し続けなければ、
それはすなわち衰退を意味します。
成長こそ最大の企業目標ともいえるでしょう。

このように「6要素診断」をはじめとした「決算診断」は、
私たちが毎年受ける健康診断と同じです。
是非、企業経営に活かしていきたいですね。

戦略財務では、作成した決算書をもとに毎年、上記「6要素診断」を含めた
「決算診断サービス」を実施しております。
ご相談は当社スタッフまで。そのままではわかりにくい決算書を、
わかりやすい「診断書」に置換えてご説明させていただきます。

融資審査で見る3つのポイント

こんにちは!
財務コンサルタントの大浦です。

政権交代に伴う今年度第1次補正予算の見直しや、
米経済の先行き不安などで二番底への懸念が増大しています。

長引く不況下で、資金繰りが悪化している企業が多く、
融資に関するご相談が多くなっています。
そこで今回は、融資審査で金融機関が見る3つのポイントについて、
お話をさせていただきます。

ポイントは、下記の3つです。

 1.資金使途
 2.返済財源
 3.保全

この3つのポイントを、申込の段階で金融機関に説明できないと、
申込時点で融資はまず100%と無理と言っても過言ではありません。
逆に、この3つのポイントを理解し伝達できれば、
銀行は融資の可否を判断する際にシナリオを描け、
入り口の融資申込みおよび取扱いの判断スピードは確実に速くなります。


1.資金使途

資金使途とは、融資を受けた後のお金の使いみちです。
「とりあえず貸して欲しい」では、金融機関は融資しません。
つまり、仕入の支払い、給料・賞与の支払い等の運転資金としてや、
車両の購入や機械等の設備投資資金として使うというように、
明確な目的がないと融資してくれないのです。

したがって、運転資金としての融資を申込むなら資金繰り表
設備資金なら設備の見積書などを提示して、何にどう使うか説明する必要があります。


2.返済財源

返済財源とは、どのようにして借入金を返済するかです。
融資後、企業が返済できるかどうかを財務面から検証します。
検証に必要なものとして、前期の決算書、直近の試算表を金融機関から求められます。
過去の資料から企業が金融機関へ返済できるかどうかを判断します。

そこで企業は、返済財源があることをアピールするために、
過去の資料だけでなく、分割返済なら事業計画書により将来の利益の予測を見せ、
一括返済なら将来の入金予定を売買契約書等の書面で
説明すると融資を受けやすくなります。


3.保全

保全とは、担保・保証人はどのようにするかです。
金融機関は、融資の制度や申込金額によって担保を求めてきます。
担保には、不動産、有価証券や預貯金などの物的担保と、
保証人、信用保証協会の人的担保があります。
保証人を判断する場合は、その保証人の収入や
資産状況(預貯金、金融資産や不動産の有無や価値など)で判断されます。

つまり金融機関は、担保や保証人があれば貸倒れリスクが軽減されるので、
融資に積極的になります。逆になければ融資を断る可能性が出てきます。


以上が、融資審査での大まかなポイントとなります。
将来、融資のお申込みをお考えのかたは、
金融機関の融資審査での特徴を考慮し今から事前対策を講じておけば、
融資をお申込みした後の審査スピードは確実に速くなります。

融資のイロハ 〜借入の種類〜

こんにちは!
財務コンサルタントの神田です。



長引く不況で、想定外の売上減少や予定していた入金の遅れなどで、
資金需要が多くなり、融資のご相談を多くお受けしています。

借入を行うと一言で言っても、様々な機関からいろいろな商品が出ています。
借り易さ、利率、借入期間など千差万別です。
どの機関から、どのように借りるかが非常に重要となってきます。
そこで今回は、借入の種類についてご紹介致します。

借入の種類を下記の4つに分けました。
それぞれについて、以下でご説明させていただきます。

 ・信用保証協会
 ・日本政策金融公庫
 ・プロパー融資
 ・ビジネスローン


【信用保証協会】

信用保証協会は、直接融資を行いません。
民間の金融機関からの融資に対し、公的な保証人となることにより、
中小企業と金融機関を結ぶ役割を担っています。
融資を受ける企業は、信用保証協会に保証料を払います。

基本的に信用保証協会は、通常の銀行融資において業暦が浅い、
決算の内容が芳しくない、保証人の資産背景が弱いなどの理由から
プロパー融資(信用貸付)が受けられない場合に利用されます。

また経済危機対策によるセーフティネット融資など、
経済状況により利用する制度を使い分ける必要があります。


【日本政策金融公庫】

日本政策金融公庫とは、政府系の金融機関であった「国民生活金融公庫」
「農林漁業金融公庫」「中小企業金融公庫」「国際協力銀行(国際金融等業務)」及び
「沖縄振興開発金融公庫」の5つの機関が、
平成20年10月に統合し、新たに株式会社日本政策金融公庫として発足した会社です。

中小企業は、日本経済や地域社会において重要な役割を果たしていますが、
担保力が低いこと、資金需要が小口であるといった理由から、
民間金融機関では対応をしてくれないことがあります。

とりわけ、新規開業する企業への融資は、
事業実績がないこと、リスクが大きいなどの理由で、
民間金融機関はほとんど融資に応じてくれません。

日本政策金融公庫は、株式会社となったとは言えども元々公的な金融機関です。
こうした民間金融機関ができない分野を補完するのが、
政府系金融機関の存在意義となっています。


【プロパー融資】

プロパー融資とは、借り手と銀行とが
個別に交渉し融資条件を自由に設定する融資のことをいい、
いわばオーダーメイドの融資のことを言います。

信用保証協会からの保証を受けず、銀行独自の融資として借り入れる融資ですので、
銀行からの相当な信用力がないと難しいです。
したがって、金融機関との付き合いの長さ(返済実績)や、
好業績などの実績が必要になってきます。


【ビジネスローン】

銀行などの金融機関が、中小企業に対し無担保、無保証人で
融資を行うスコアリング融資と呼ばれているスピード審査型の商品です。

審査は、決算書を2期分または3期分のデータを、
コンピュータに打ち込み、その数字を元にその会社に融資が可能か、
また融資額や金利などを機械が判断します。

今までのように、銀行からの人の判断(定性的判断)という部分がほとんどなくなり、
機械化してしまっているため、決算書をいかにうまく作れるかが重要になります。
つまり、スコアリングでよい結果が出やすいように、
ポイントをおさえた決算書作りが重要になります。


以上が、中小企業にとって、なじみの深い融資制度となります。

他にもいろいろな商品や機関が融資の相談を行っていますが、
開業して間もない場合など、銀行との取引実績が浅い段階では、
日本政策金融公庫や信用保証協会付きの融資などを活用し、
銀行との取引実績を積み重ね、会社規模・実績がしっかりしてくれば、
プロパー融資に胸を張って申し込んでいくのがセオリーです。

 

固定資産の稼動状況を把握する指標

こんにちは!
財務コンサルタントの高田です。


会社は調達した資本を運用して会社の経営を行います。
資本は資金の形をとることが多いですので、
資金をいかに効率よく運用し利益を上げるかが重要となります。
したがって資金の運用のされ方を分析すると、会社の実態がよく分かります。
資金は、現金預金というより「資産」となっていますので、
「資産」の内容の分析、使われ方の分析ということになります。

そこで今回は、固定資産にの稼動状況に着目しお話させていただきます。自社の固定資産が、効率よく運用されているのかを見るのに、
下記の2つの指標が有効となります。

1、固定資産回転率
 固定資産の中に遊休や稼動の悪い物はないかを検討する指標です。

2、減価償却率
 設備の更新、耐用年数の妥当性を検討する指標です。


【固定資産回転率】
固定資産回転率は、下記の算式で求めれます。

 売上高 / 固定資産合計額 = 固定資産回転率(回)

回転率が高ければ、資金の流れがよいということがいえます。
業界平均値より低ければ、まずは回転率を上げる必要があります。
そのためには、売上高を上げるか固定資産を減らす必要があります。
回転率が悪いと、遊休のもの、ムダなものを持っている可能性があります。
ムダで不必要なものがあれば、その分会社に資金を寝かせておくことになり、
またそれを管理するために無駄なコストが発生していることになります。
売却や処分を検討する必要がでてきます。

<中小企業の固定資産回転率平均値>

 建 設 業 :  8.5 回 
 製 造 業 :  3.6 回
 情報通信業 : 27.8 回
 運 輸 業 :  3.9 回 
 卸 売 業 : 11.7 回
 小 売 業 :  8.0 回
 不 動 産業 :  0.3 回 
 飲食宿泊業 :  3.6 回
 サービス業 :  5.3 回


【減価償却率】
 減価償却率は、下記の算式で求めます。

  固定資産減価償却累計額 / (固定資減価償却累計額 + 償却対象資産) ×100 = 減価償却率(%)

 ※ 設立当初など設備投資が多い会社の場合は、この数値は小さくなります。

固定資産のうちで、償却対象資産は、毎年減価償却することに特色があります。
減価償却を通じて、固定資産の価値は製造される製品やサービスに移転します。
この率が大きいと、製品コストは少ないといえ、
設備は、老朽化、効率低下、また今後かかる修繕費が高くなる可能性があります。
逆に率が小さいと、製品コストは高く、
設備は、新鋭、高効率、今後発生する修繕費も低いといえます。

減価償却率は、業界の平均値や、同業他社の平均などを参考に、
自社で適正な率を設定しましょう。
ちなみに日本の企業平均で59.02%で、
製造業は64.24%、非製造業で、54.00%になります。

以上のように、減価償却率で自社の設備の状況を把握し、
固定資産回転率を高める必要が有ります。
今一度、自社の月次決算書を見直し、参考にしてください!

設備投資について2つのポイント

こんにちは!
財務コンサルタントの高田です。

リーマンショック以降の急激な景気後退で、売上高が減少する企業が多く、
過去の設備投資とその借入返済が重荷となり、
破綻に追い込まれる企業も増えています。
これらには、身の丈を越えた投資規模であったこと、
ほぼ全額を借入金で調達していたことが原因となっています。

設備投資は、金額が多額になることが多く、
かつ資金が長期間固定化するため、慎重に行う必要があります。
だからといって、設備投資を全くしないということはできません。
設備投資を行わないと、
設備の性能が向上せず競争力が低下することにもなり、
適切な設備投資は必要になります。

そこで今回は、設備投資について2つのポイントを、ご紹介させていただきます。

 1.投資資金の回収期間を試算する
 2.自社の財務構造および資金調達のバランスを検討する


【投資資金の回収期間を試算する】

単に今売れているから投資をするというのでは、
今回の不況などで、売れ行きが停滞した時に、
投資資金を回収できなくなる可能性が出てきます。
何のために投資をするのかという目的を明確にし、
新たな設備で提供する製品・サービスの将来性はどうなのか、
投資後に獲得をする市場シェアはどの程度なのかなどを検討します。
そして検討した投資が、投資金額が何年で回収されるかを調べ、
その期間がガイドラインとなっている期間よりも短ければ投資を実行し、
長ければ投資を再検討する必要があります。
回収期間を求めるためには、下記の算式が有効です。

 回収期間 = 投資額 / 年間キャッシュフロー(利益+減価償却費)


例えば、下記のように2つの投資案があるとします。

        投資案A    投資案B
 
 投 資 額   1500    3000
 耐用年数         5       5
 利 益 額     100     300


この場合上記の算式に当てはめると、
 投資案A
  1,500 /(100+300) = 3.75年

 投資案B
  3,000 /(300+600) = 3.33年

以上のように、投資案Bのほうが早く投資額を回収できるということになります。


【自社の財務構造および資金調達のバランスを検討する】

次に、自社の財務バランスを大きく崩すことがないかを検討する必要があります。
大規模な投資の場合、投資資金のほとんどを借入金でまかなうと、
自己資本比率 ※ が大幅に低下します。

 ※(自己資本比率 = 資本の部 / 総資産)

自己資本比率は、一般的に30%以上が及第点と言われています。  
自己資本比率の低下は、企業の安全性を低下させることになるため、
身の丈を大きく超える設備投資は特に慎重に行う必要があります。

投資資金のほとんどを、借入金とする場合、年間返済が多額になります。
自己資金が不足するようなら、投資を断念することも必要です。

設備投資は、企業の命運にも関わる事項です。
ポイントを外さずに慎重に検討する必要があります。
自社の月次決算を参考にし、
自社の設備投資をいま一度検討してみてはいかがでしょうか。

 

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